男性機能(生殖機能)の問題には中高年男性の多くが悩まされます。加齢に伴って男性ホルモンの分泌が悪くなることで、ED(勃起不全:インポテンツ)や男性更年期障害が発症して、体の不調を感じるようになるのです。

確かに、加齢は精力を低下させる要因になります。しかし、誰でも歳を取ると男性機能が悪くなるというわけではありません。

若くしてEDになって勃起不全や中折れに悩んでいる人はいますし、高齢になっても精力を維持して満足いくセックスをしている人もいます。そのため、生殖機能が悪くなることは、加齢だけが問題ではないといえます。

加齢以外で精力を低下させる要因の1つに、「食事の不摂生」があります。食生活が乱れることで、勃起障害を引き起こしやすくなります。その一方で、男性機能の向上に関係する食事に変更すれば体の疲労や勃起不全から回復するようになります。

そこで、どのように食事に気を付けてED(勃起不全)を予防・防止すればいいのかについて解説します。

男性機能(生殖機能)と食生活

男性機能(生殖機能)と食事には、加齢による影響と同じくらい深い関係があります。その中でも、最初に考えるべきものとして「腸」があります。食事によって作られる腸内環境は精力に大きな影響を与えます。

人の体における腸は、植物でいう根っこに当たります。植物は、根っこから水分や栄養素を吸収することで成長します。根っこがしっかりしていなければ、植物は十分に大きくなることができません。

人間も同じように、腸から食べたものの栄養を吸収します。体を構成する原料として栄養を利用したり、栄養素から体を動かすエネルギーを作り出したりします。

つまり、腸による栄養吸収は体の構造や機能を正常に保つための基本になります。

これは体の全ての組織にいえることであり、男性機能(生殖機能)に関しても同じです。生殖機能に関係する精巣や男性ホルモンは、腸からの栄養吸収に問題があると働きが低下してしまいます。

そのため、食生活が乱れて腸内環境が悪くなると、結果的に精力も低下します。つまり、勃起障害が加速してセックス中に中折れしたり、仕事中に疲れやすくなったりするのです。

このように、食生活の乱れは男性機能(生殖機能)の低下と大きく関係しています。

男性機能(生殖機能)と水溶性食物繊維の関係性

食生活は男性機能(生殖機能)と深く関係しています。その中でも、食物繊維は特に男性機能(生殖機能)にとって必要不可欠な栄養素といえます。

食物繊維は、腸内で善玉菌の主なエサとなるため、腸内環境を整える役割があります。

さらに食物繊維は、水に溶ける性質を持つ「水溶性食物繊維」と、水に溶けない「不溶性食物繊維」の2つに分類されます。このうち、特に水溶性食物繊維が精力と関係していることがわかっています。

水溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収することで膨らみ、腸内の不要な物質を便として排泄する機能を持っています。そのため、腸内環境を整える働きがあります。

また腸内では、水溶性食物繊維を原料に「短鎖脂肪酸」と呼ばれる脂肪酸が合成されます。短鎖脂肪酸は、唾液や涙、鼻水といったような、体内における体液や粘液の材料となるものです。

そして、短鎖脂肪酸は精液の原料にもなります。そのため、短鎖脂肪酸が不足すると精液自体の産生量が低下してしまいます。

精液が多いと、その分だけ精子はしっかりと守られることになるため、精子の質の向上につながります。

それでは、どのような食物に水溶性食物繊維が含まれているのでしょうか。以下に、水溶性食物繊維を多く含む食べ物の例を記します。

・昆布

・わかめ

・リンゴ

・ミカン

・大豆

水溶性食物繊維は男性機能(生殖機能)を高めるためには欠かせない食品だといえます。

水溶性植物繊維を摂取することで、精子の質を上げて精力を高めることができます。普段から水溶性食物繊維を多く含む食品を摂取することで、男性機能(生殖機能)を維持し、ED(勃起不全)を予防することができるのです。

男性ホルモンを増やす食材

ただ、当然ながら精力を高める食事は腸内環境に関わるものだけではありません。他にも精力を高める食材が存在します。

それぞれについて、以下で解説していきます。

玉ネギ

玉ネギが健康に良いということは、多くの人が知っていることの一つです。玉ねぎには、ビタミンB群やビタミンC群、カリウム、カルシウム、鉄などの成分が豊富に含まれています。他にも、「ケルセチン」や、辛味成分である「硫化プロピル」、におい成分である「硫化アリル」などの有効成分がたくさん入っています。

このように、玉ネギにはたくさんの成分が含まれていますが、玉ねぎには男性ホルモンの分泌を促すものが多くあります。

男性ホルモンの分泌を促す食材の特徴は、以下の4つです。

・セレンを多く含む

・硫化アリルを含む

・必須アミノ酸を多く含む

・アブラナ科の野菜

この中で、玉ネギにはセレンがたくさんあります。セレンとは、必要量は少ないけれども人の体に欠かすことができない「必須微量元素」の1つです。亜鉛やビタミンEと同じように、体の酸化を防いだり男性ホルモンの分泌を促進したりする働きがあります。

玉ネギや長ネギなどの他にも、セレンはイワシといったような青魚や牡蠣に多く含まれています。

また、玉ねぎはにおい成分である硫化アリルも豊富に含まれています。硫化アリルによって男性ホルモンの働きが活発になります。

このように玉ネギには、男性ホルモンの分泌を促すような食材が豊富に含まれています。またそれだけではなく、以下のような中高年男性に起こりやすい問題の解決に対しても効果があるとわかっています。

・血圧安定

・動脈硬化予防

・血中コレステロール値低下

・疲労回復

・血栓予防

・高血糖抑制

このように、玉ネギは男性機能(生殖機能)などEDの防止だけでなく、中高年男性の健康を維持するためにも欠かせない食材だといえます。

肉・魚類

また、他にも精力増進に関わる食材があります。

例えば、牛肉や豚肉、鶏肉といた肉類には「必須アミノ酸」が多く含まれています。必須アミノ酸とは、体を構成しているタンパク質の元となる成分であり、男性ホルモンの形成にも欠かせないものです。

また魚類には、そのような良質なタンパク質だけでなく、「DHA」と呼ばれる良質な脂質も多く含まれています。

このような必須アミノ酸は男性ホルモンを増加させる効果が高く、中高年男性における精力を維持するためには欠かせない食材です。

ただこのような食べ物には、中高年男性にとっては敵となる脂肪も多く含まれています。健康的に男性機能(生殖機能)を高めるためには、悪い脂質の摂りすぎには注意しつつ、しっかりタンパク質を摂取することが大切です。

必須アミノ酸を多く含む食材には、他にも以下のようなものが挙げられます。

・卵

・牛乳

・赤身の魚

中高年になって精力が低下しないように、若いときから必須アミノ酸を多く含む食材を意識して摂取する必要があります。

亜鉛、アリシン、ビタミンE、ビタミンCが男性機能を高める理由

玉ねぎや肉・魚は食材です。それでは、次に食材ではなくED(勃起不全)の予防に役立つ栄養素について確認していきます。

精力を高める栄養素としては、「亜鉛」「アリシン」「ビタミンC」「ビタミンE」があります。

亜鉛

亜鉛は、カキ(牡蠣)やシジミなどに豊富に含まれている栄養素です。

男性機能(生殖機能)は、男性ホルモンである「テストステロン」が多く分泌されると高まります。テストステロンが生成されると、精子の合成が促されて精力が強くなります。

亜鉛はテストステロンの生成を促す作用を持っています。そのため、亜鉛を多く含むカキやシジミは男性機能(生殖機能)を高める食品といえます。

また、亜鉛は多くの酵素の働きを高めるよう補助します。酵素には男性ホルモンを合成し、精巣の老化を防ぐ作用があります。そのため、亜鉛によって酵素の作用が活発になると結果的に精力を向上させることにつながります。

アリシン

アリシンは、玉ねぎやニンニク、ニラ、ラッキョウなどのネギ類に豊富に含まれる栄養素です。

このようなネギ類に含まれるアリシンには、抗酸化作用や血栓予防、滋養強壮の効果があります。さらに、男性ホルモンであるテストステロンの合成も促すため、男性機能を向上させます。

アリシンが持つ作用の1つである抗酸化作用は、動脈硬化を予防することにつながります。抗酸化作用とは、「酸化に抵抗する作用」のことです。酸化によって私たちの細胞は老化していき、血管が酸化されると動脈が硬くなって動脈硬化を引き起こすのです。

そこで、アリシンなどの抗酸化物質によって動脈硬化を防ぐことが重要になります。

生殖機能の代表的な現象でもある勃起は、ペニスへの血流が増加することで起こります。そのため、動脈硬化によってペニスへの血流が障害されるとED(勃起不全)が起こりやすくなります。アリシンには、このような動脈硬化を予防する作用があります。

ビタミンE、ビタミンC

ビタミンEはアーモンドやピーナッツ、イクラ、ウナギ、アボカドなどに多く含まれている栄養素です。

ビタミンEもアリシンと同様で、抗酸化作用があることで有名です。そのため、ビタミンEを積極的に摂取することで動脈硬化を予防することができます。その結果、ペニスへの血流量を維持してED(勃起不全)の発症を防ぐことができます。

また、ビタミンEは脳の働きを活発にします。脳の中でも視床下部と呼ばれる場所は、さまざまなホルモンの指令塔になっています。

ビタミンEは、そのような視床下部の働きを活発にすることで、男性ホルモンであるテストステロンの分泌を促します。その結果、精力を高く維持することにつながります。

そして、ビタミンCはビタミンEの作用を高める効果があります。ビタミンEと併せて、ビタミンCを多く含むレモンやミカンなどのかんきつ類、イチゴ、キウイなどを積極的に摂ることで、さらにビタミンEの機能を高めることができます。

さらに、ビタミンEと同様にビタミンCも抗酸化物質として知られています。つまり、細胞の老化(酸化)を抑えることで動脈硬化などを防ぐのです。

精力減退につながる食事をしてはいけない

玉ねぎや肉類、カキ(牡蠣)、ウナギなどは精のつく食事として知られていますが、これには上記のような栄養素を含んでおり、精力回復に効果的だからです。

その一方で精力減退につながる食事をとらないことが重要です。いくら精のつく食事に気を付けて勃起力を改善させたとしても、精力を下げる食事をしていれば精力回復効果は半減してしまいます。

そこで、精力減退に関わる食事について確認していきます。

インスタント食品、コンビニ弁当を避ける

インスタント食品やコンビニ弁当には多くの添加物が含まれています。実際、スーパーやコンビニに行って商品の裏に書かれてある成分を見てみると、カラメル色素や香料、酸化防止剤、保存料などの言葉が並んでいます。

基本的には、一般的な家庭のキッチンに存在しないものはすべて添加物です。例えば、保存料などが一般的な家庭のキッチンに並んでいることはないため、添加物だと判断できます。こうしてみると、一つのインスタント食品やコンビニ弁当には、非常に多くの添加物が含まれていると分かります。

これは外食でも同様であり、シェフが食材を選んで調理してくれるレストランなら問題ないものの、フランチャイズの飲食店などであれば添加物がたくさん含まれた食事(既に調理されている加工品)が出てきます。

人間にとって添加物は化学物質であり、異物としての存在になります。そのため体内で代謝してしまわなければいけません。

添加物が代謝されるとき、活性酸素と呼ばれる「細胞を錆びさせる物質」が生成されます。これが体内に存在するビタミンやミネラルを消費するようになります。

勃起力に必要な栄養素が失われていくため、添加物を多く含む食品を何度も食べているとEDが加速していったり、疲労がたまりやすくなったりするようになります。

トランス脂肪酸を避ける

油の中には、加熱したり硬化処理したりすることで油脂を加工したものが存在します。こうして精製した油をトランス脂肪酸といいます。マーガリンやショートニングなどは加工された油であり、トランス脂肪酸として知られています。

生クリームやスナック菓子などにトランス脂肪酸が多く含まれています。揚げ物(フライドポテト、ナゲットなど)を含め、油を加熱調理する段階であってもトランス脂肪酸が大量に生成されます。

トランス脂肪酸は血液中の脂質に悪影響を与え、血管を老化させることで狭心症や心筋梗塞など心血管疾患のリスクを増大させることが知られています。

それと同時に、ペニスの血管に対しても影響を与えて勃起障害を加速させます。セックス時の中折れを防ぐためには、勃起時に悪影響を与える「トランス脂肪酸を含む食事」を避ける必要があります。

アルコールの飲みすぎを避ける

他にも食事で注意すべきものとして、アルコールがあります。少量のアルコールであれば、緊張を解くことで勃起改善に良い作用をもたらすことがあります。

ただ、多すぎるアルコール摂取は脳の機能の抑制によって性的な興奮が伝わりにくくなり、結果として勃起時の硬さが足りなかったり、セックス中の中折れを招いたりしてしまいます。

もちろん、女性を口説いてホテルを持ち帰るときなど、どうしてもアルコールが必要なケースは多いです。そうしたときであっても、その後のエッチまで考えて飲みすぎには注意しなければいけません。

バランスの良い食事を心掛ける

ここまで述べてきたことを意識したうえで、バランスの良い食事を考えるようにしましょう。

例えば、野菜は健康に良いことが知られているものの、厳格なベジタリアンのように肉や魚をまったく食べない人であると、栄養が不足して体調不良が加速していきます。

これと同じように、いくら精のつく食事だとはいってもバランスを考えた食事にする必要があります。「牡蠣だけを食べる」「ウナギにご飯だけ」という食事ばかりであれば、勃起力が回復するどころか、栄養が偏ってセックス時の中折れが加速してしまいます。

そのため、「牡蠣フライにご飯や野菜をつける」などのように、ある程度のバランスは意識するようにしましょう。

精力剤サプリを活用しても問題ない

また、食事だけでは難しい場合、精力剤サプリメントを活用しても問題ありません。サプリメントには勃起力回復に必要な栄養が含まれています。

精力剤には亜鉛やアリシン、アルギニンなど精力改善に必要な栄養素が含まれています。そこで、サプリメントとして摂取するのです。

また、栄養素としてのサプリメントではなく、マカやクラチャイダムなど天然成分を活用した精力剤も存在します。マカやクラチャイダムには多くのアルギニンが含まれています。マカやクラチャイダムはどちらも精力剤として古くから活用されている製品です。

他には、牡蠣を活用したサプリメントも存在します。こうしたサプリメントを活用すれば亜鉛を効率よく摂取することができるため、亜鉛不足による精力減退に効果的です。

EDや中折れの防止には食事が欠かせない

このように、EDを回復するために食事で注意すべき点として、「腸内環境に良い食事内容にする」「亜鉛、アリシン、ビタミンEなど精力を高める食事を心がける」「精力減退につながる食事をとらない」ことが挙げられます。

場合によっては精力剤サプリメントを活用しながら、勃起不全を改善させていくといいです。

もちろん、食事内容だけを変えても意味がありません。メタボ腹なのであれば肥満を解消させる必要がありますし、しっかりと睡眠をとる必要もあります。こうしたことを3ヵ月以上続けていくことで、勃起時の硬さや持続力が長続きするようになります。