男性機能(生殖機能)の問題は、中高年男性の多くが悩まされます。50~60歳代である中高年と呼ばれる年代になると、男性ホルモンの分泌が低下することでED(勃起不全)や男性更年期障害などを発症します。

このとき多くの人は、「精力が低下するのは加齢が原因だから仕方がない」と考えて放置します。その結果、誰にも相談することができず、1人で問題を抱え込み続けることになります。

しかし、中高年男性に起こる男性機能(生殖機能)の低下は、加齢だけが原因ではありません。多くの場合、年齢の問題以外にも睡眠や食事、運動といったような生活習慣の不摂生が重なることで精力が衰えます。

そのため、生活習慣を整えることで何歳になっても男性機能を高く維持することができます。その中でも食生活は精力に大きく影響していますが、油を意識的に摂ることで勃起力が改善していくようにいなります。

ただ、「どのような油でもいいので摂ればいい」というわけではありません。良い油と悪い油があるため、これらを見分ける必要があります。そこで、どのようにして良質な油を摂取すればいいのかについて解説します。

EPAとDHAとは

脂質の中でも、良質な油として「魚の油」があります。

魚は体を健康にする食材の1つとしてよく挙げられます。特に、魚に多く含まれるDHAやEPAと呼ばれる成分は、サプリメントとしても販売されており、多くの人が「体に良いもの」として認識しています。

ただ、「DHAやEPAとは何か?」と聞かれると、明確に答えられる人は多くありません。魚に多く含まれるDHAやEPAとは、脂肪の種類です。

多くの人は、脂肪というと「体に悪そう」というイメージをもっています。しかし、脂質は体にとって必要不可欠な栄養素であり、「良質な脂質を摂取する」ことは健康を保つためにとても大切です。

体に対する脂質の主な役割には、以下のようなものが挙げられます。

・脳の原料になる

・細胞の材料になる

・体温を維持する

・ビタミンの吸収を促す

・ホルモンの合成や分泌を助ける

このように、脂質は体の機能を維持するために欠かせない栄養素です。ただ、摂取する脂肪の種類が大切であり、ポテトチップスやマーガリンといったような質の悪い油(トランス脂肪酸など)は、体の健康にとって悪影響を与えます。

一方、魚に含まれるDHAやEPAは、先ほど述べたような体の働きを助ける良質な油です。このような理由から、DHAやEPAは「健康に良い栄養素」といわれています。

油には「良い油」と「悪い油(避けるべき油)」があります。DHA・EPAは別名でオメガ3とも呼ばれますが、DHA・EPAは厚生労働省が一日の推奨摂取量を設定するなど、積極的に摂るべき油として定めています。

DHA・EPAと男性機能(生殖機能)の関係性

このように、男性機能(生殖機能)を維持する栄養素の1つとして、魚に多く含まれるDHAとEPAが挙げられます。中高年男性に起こるED(勃起不全)や男性更年期障害に対して、DHAやEPAのサプリメントは効果的だといわれています。

「DHA・EPAが精力に良い」といわれる理由には、以下の2点が挙げられます。

動脈硬化を防ぐ

男性機能(生殖機能)を表す現象の1つとして勃起があります。勃起はペニスに血流が大量に流れ込むことで起こります。

ただ、メタボなど生活習慣が悪いと動脈硬化を引き起こします。中高年男性に多い動脈硬化はペニスの血流を悪くして、勃起機能を悪化させる原因になります。

DHA・EPAには悪玉コレステロールや中性脂肪を減らすことで、動脈硬化を防ぐ働きがあります

実際、DHA・EPAは医薬品である脂質異常症(高脂血症)の治療薬として活用されています。エパデールやロトリガなどの薬品名で、医療現場で利用されているのです。

いわゆる「血液をサラサラにする作用」によって動脈硬化を防ぐことができれば、それだけペニスへの血流が改善されます。その結果、勃起障害の症状を軽減できるようになります。

このように、DHA・EPAによる動脈硬化を予防・改善する効果によって、ED(勃起不全)を防ぐことができます。

自律神経を整える

男性ホルモン(テストステロンなど)の分泌が悪くなることで精力の低下が起こります。このとき、男性ホルモンは自律神経の働きによって調整されています。

「心臓を動かす」「運動時に汗をかく」「食事のときに胃液を分泌する」など、私たちの意識ではコントロールできない神経が自律神経です。また、自律神経はこうした生命維持に必須となる神経系でもあります。

ストレスや睡眠不足、食事の不摂生などによって自律神経の活動が悪くなると、男性ホルモンの分泌が低下します。その結果、ペニスの勃起力や精力に問題が生じます。

ペニスが勃起するとき、「体を休息させる神経(副交感神経)」が活発になっている必要があります。食事のときや睡眠時と同じように、リラックスした状態にすることでチンコに大量の血液が集まり、硬く勃起するようになるのです。

ただ、本来はリラックスしなければいけないにも関わらず、ストレスを受けるなどして「体を活発に活動させる神経(交感神経)」の働きが強ければ、それだけペニスに血液が集まりにくくなり、半勃ちになったり中折れしたりするようになります。

DHA・EPAには、脳の活動を正常にすることで自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスを整える働きがあります。これにより、リラックス状態のときにペニスが硬く勃起し、持続力まで得られるようになります。

さらに、DHAやEPAによって自律神経が適切に働くようになることで、男性ホルモンの分泌も活性化されます。その結果、男性機能(生殖機能)が高く維持されます。

トランス脂肪酸を避けると精力が高まる

このように、魚に多く含まれるEPAやDHAには、「動脈硬化を防ぐ効果」「自律神経を整えることで男性機能を高める効果」があります。そのため、特に精力の低下に悩まされる中高年男性は、積極的に魚を食べることをお勧めします。

ただ、中高年男性がよく食べるものの中には、男性機能(生殖機能)を悪くする食品が多くあります。中高年男性での精力の低下を防ぐためには、そのような食べ物を避けなければいけません。

そこで、男性機能(生殖機能)を低下させる食品の1つである「質の悪い油(トランス脂肪酸)」について解説します。同じ油であっても、DHA・EPAとは違ってトランス脂肪酸は排除するようにしましょう。

トランス脂肪酸とは

男性機能(生殖機能)を低下させる食品の代表的なものに、「質の悪い油」があります。油は体の健康にとって欠かせないものですが、摂取する油の種類によっては逆に体を壊す原因になります。

体にとって有害である油の1つとして、前述のトランス脂肪酸が挙げられます。トランス脂肪酸とは、油の日持ちを良くするために人工的に作られた油のことです。具体的には、植物性油に水素を加えることで固めて、さらに臭いを消すために高熱処理するという過程で発生する物質です。

常温では、植物性油は液体であるのが基本です。しかし、このように水素添加と高熱処理を行うことで、植物性油であっても固体の状態を維持できるようになります。

サラダ油などを思い浮かべればわかりますが、通常の植物油は液体です。ただ、マーガリンは植物性油であるにも拘わらず、常温で固体です。これは、特別な処理を行っているためです。

つまり、マーガリンにはトランス脂肪酸が豊富に含まれています。そのため、クッキーやパン、お菓子などマーガリンを大量に使って作られる食品には、トランス脂肪酸が多く入っています。

そして、トランス脂肪酸は「悪玉コレステロール値の増加」と「善玉コレステロール値の減少」を引き起こします。

その結果、心筋梗塞などの血管に関する病気の発症リスクが高くなります。海外ではトランス脂肪酸の危険性が一般的に認識されており、その摂取量に規制がかかっている国もあります。

しかし日本では、「トランス脂肪酸の認知度はまだ高くない」というのが現状です。

トランス脂肪酸と男性機能の関係

トランス脂肪酸は悪玉コレステロール値を高くして、善玉コレステロール値を低くします。その結果、全身で血の巡りが悪くなります。

男性機能を表す代表的な現象でもある勃起は、ペニスへ血流が集まることで起こります。ペニスに血管内に大量の血液が流れ込み、その血圧によってペニスが硬くなります。つまり、勃起が生じるためには正常な血液の流れが欠かせないといえます。

そのため、トランス脂肪酸の影響で血流障害を生じると、ED(勃起不全)を発症しやすくなります

また、トランス脂肪酸には「細胞に入り込むことで細胞の活動を妨げる」という作用があります。トランス脂肪酸を過剰に摂取すると、男性ホルモンを合成・分泌する精巣の働きが低下してホルモンバランスが崩れるため、精力が低下します。

それだけではありません。トランス脂肪酸は脳に悪影響を与えることが研究でわかっています。トランス脂肪酸によって記憶力が悪くなり、脳が委縮することが報告されているのです。

脳の働きが悪くなると、自律神経をうまく調節できなくなります。前述の通り自律神経は勃起機能に深く関わっているため、結果としてEDが加速するようになります。

トランス脂肪酸を含む食材

このように、トランス脂肪酸は男性機能(生殖機能)にとって非常に有害な物質だといえます。

それでは、どのようなものにトランス脂肪酸が含まれているのでしょうか。トランス脂肪酸がたくさん存在する食材を知り、避けるようにしなければいけません。

以下に、トランス脂肪酸を多く含む食品を記します。

・マーガリン

・フライドポテトなどの揚げ物

・パン

・カレー・ルウ

・インスタント食品

・ビスケット、スナック菓子

・ケーキ

・アイスクリーム

マーガリンがトランス脂肪酸であることは既に述べていますが、お菓子に多用されるショートニングもトランス脂肪酸の一種です。パンやビスケット、スナック菓子、ケーキ、アイスクリームには多量のショートニングが使われています。そのため、これらのお菓子類にはトランス脂肪酸が豊富です。

お菓子類であっても、マーガリンやショートニングなど体に悪い油を使っていないのであれば問題ありません。ただ、世の中で一般的に売られている商品には高確率でトランス脂肪酸が大量に含まれています。

また、トランス脂肪酸は油を高温処理したときにも生成します。そのため、フライドポテトなどの揚げ物にもトランス脂肪酸がたくさん存在します。

このように「中高年男性が日常的に摂取している食品には、トランス脂肪酸が多く含まれている」ということを知っておかなければいけません。

DHA・EPAを摂り、勃起障害を回復させる

同じ脂質ではあっても、体に対して良い影響を与えてEDを回復させることがあれば、勃起不全が加速してしまうこともあります。

これらを見極めたうえで、魚の油であるDHA・EPAを積極的に取り入れるようにしましょう。DHA・EPAには動脈硬化を防ぎ、自律神経を安定させることで勃起力を回復させる作用があります。

それに対して、質の悪い油といわれる「トランス脂肪酸」は精力を低下させる大きな要因となります。多くの人がトランス脂肪酸を多く含む食品を日常的に食べています。中高年になっても男性機能を維持するため、トランス脂肪酸の摂取を減らすことが重要です。

食生活を見直してDHA・EPAを摂るようにして、トランス脂肪酸を避けるように心がければ、徐々に勃起力が回復してくるようになります。薬のように即効性はないものの、数か月単位で考えることにより、薬なしで満足いくセックスライフを実現できるようになるのです。