男性の中には、50~60歳代のいわゆる中高年世代になると、明らかに男性機能(生殖機能)が低下してくる人が多くいます。それは、ED(勃起不全:インポテンツ)や男性更年期障害といった形で現れます。

このような精力の問題は、ほとんどの人が加齢によって誰にでも起こるものだと考えられています。

もちろん中高年男性だけでなく、20代や30代の男性であっても勃起不全に悩まされることがあります。10代のころは少しの刺激で勃っていたものの、30代を超えたあたりから勃ちにくくなったと感じる人はたくさんいます。

年齢は男性ホルモンを低下させる1つの大きな要因です。しかし、70歳代になっても勃起機能が保たれている人がいるように、全ての男性が加齢に伴って男性機能(生殖機能)の低下に悩まされているわけではありません。

精力の低下には、加齢だけではなく生活習慣が大きく関係しています。その中でも睡眠習慣は、男性ホルモンの分泌を左右することが明らかになっています。

そこで、睡眠習慣と男性機能(生殖機能)の関係性について解説します。これらを理解することによって、ED(勃起不全)や男性更年期障害を防げるようになります。

休日の起床時間と男性ホルモン

中高年男性の中には、「休前日は必ず深酒をして、休日は昼前まで寝て1日ダラダラ生活する」という人も少なくありません。日頃のストレスを発散するために、休前日にアルコールをたくさん飲んだ結果、その反動で翌日は1日中体がダルい状態で過ごすことになります。

そのような人の多くは、休日の起床時間がかなり遅いです。普段は朝7:00に起きるのに、休日になると10:00といったように、平日と休日の起きる時間に大きな差があります。

このように、中高年男性で週末になると睡眠のリズムが崩れる人は少なくありません。そして、このような睡眠リズムの乱れは男性ホルモンの分泌に大きく影響します。

男性ホルモンは基本的に夜間に分泌されます。昼間に低下した男性ホルモン値も、夜の睡眠中に回復します。そのため、睡眠習慣に問題が生じると、男性ホルモンにも大きな影響を与えます。

男性ホルモンの分泌にとって大事なことは、睡眠時間ではなく睡眠の質です。いくら長い時間眠っても、深い睡眠を取れていないと男性ホルモンの量は多くなりません。

そのような睡眠の質は、睡眠のリズムで決まります。さらに睡眠リズムは、起床時間を一定にすることで正しいリズムを刻むようになります。つまり、週末で仕事が休みの日であっても、いつも通り朝早く起きることが、男性ホルモンの分泌を促すことにつながります。

休日であっても起床時間を一定に保っておくことで、中高年男性に起こりやすい精力の低下を予防することができます。これが結果として、ED(勃起不全)や男性更年期障害の予防・改善につながります。

朝活と男性ホルモンの関係

仕事がデキる人の中には、朝早く起きて作業を行う人が多くいます。いわゆる「朝活」と呼ばれるものです。朝活とは、時間に余裕をもって家を出発して、仕事前の時間を使ってカフェなどで読書などを行うことをいいます。

このような朝活を行っているのは、デキる男といわれる人に多いといわれています。そして、このことは男性ホルモンの分泌とも関係しています。

男性ホルモンの血中濃度は、「1日の中で朝が最も高く、夕方になると低くなる」というリズムがあります。このように男性ホルモンの分泌量は、同じ1日といっても絶えず変化しています。

男性ホルモンが多く分泌されると、判断力や決断力が高くなることがわかっています。つまり、男性ホルモンの血中濃度が高い朝に読書や仕事を行うと、脳がクリエイティブになっているため、創造的なアイデアが浮かんだり作業スピードが速くなったりします。

このような男性ホルモンのリズムを考えても、早起きをすることは男性にとってメリットが大きいといえます。

つまり、たとえ休日であったとしても起床時間を一定にして、ダラダラと無駄に長く寝ることを避けるほうが睡眠の質が高くなるのです。

ED(勃起不全)・男性更年期障害を防ぐ睡眠習慣

このように、睡眠習慣と精力には深い関係があります。特に、起床時間を一定にすることは、男性ホルモンの分泌を高めるだけでなく、仕事を効率的に行うためにも欠かせません。

そのため、早起きだけでも習慣づけることを日頃から意識して行うようにしてください。そうすることで、加齢に伴う男性機能の低下を予防することができます。

さらに、ED(勃起不全:インポテンツ)や男性更年期障害は睡眠時間も関係しています。日本人は、世界の中でも睡眠時間が短い人種だといわれています。日本人の平均睡眠時間は7時間台であり、最も平均睡眠時間が長い国と比べると1時間近くも少ないです。

睡眠時間が短いことは、中高年男性における男性機能の低下にも大きな影響を与えます。

つまり、適切な睡眠を取ることで、中高年男性における精力の低下を防げるといえます。睡眠の質が良ければ勃起障害を予防することで朝立ちがなかったり、セックスの途中で中折れしたりすることを予防できるのです。

睡眠と男性機能の関係性

人間が生きていく上で、睡眠を取ることが欠かせないことは誰もが知っていることです。どれほど睡眠時間が短い人であっても、全く眠らずに精力的な生活を送れる人はいません。

睡眠の役割は、ただ単に脳や体を休めるだけではありません。眠っている間には、体中の細胞や組織の修復、点検などが行われます。また、体の免疫を司る「リンパ球」と呼ばれる細胞などの産生も睡眠中に行われます。

このように睡眠中は、生命を維持するために必要なさまざまな活動が行われています。

精力に関しても、睡眠は大きく関係しています。適切な睡眠を取ることは、男性機能を発揮するために必要な「男性ホルモンの産生」と精巣の活動に欠かせない「体内酵素の節約」の2つにとって必要不可欠です。

男性ホルモンは、人が深く眠っている間に作られます。睡眠不足が1週間続くと、男性ホルモンが10~15%低下するといわれています。

また睡眠不足は、ストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌を促します。コルチゾールと男性ホルモンである「テストステロン」は原料が同じであるため、コルチゾールの合成量が増えると、その分だけテストステロンの産生量は少なくなります。

また、体にかかるストレスが強くなると、体にはストレス反応が起こります。そうなると、ストレスに対応するために体内酵素が通常以上に使われます。その結果、精巣の活動に利用できる体内酵素が減ってしまうため、精力が低下します。

このように、睡眠不足は男性ホルモンと体内酵素に悪影響を与えることで、精力を低下させます。

男性機能を高める睡眠法

既に述べたように、適切な睡眠を取ることは、男性機能を高く維持するために欠かせません。そのため、中高年男性における精力の低下を予防し、ED(勃起不全:インポテンツ)や男性更年期障害を防ぐためには、良質な睡眠について理解しておく必要があります。

以下に、男性機能(生殖機能)を高める睡眠法として4つのポイントを挙げます。

・仕事を遅くまで行わない

・夜はパソコンや携帯電話の使用を避ける

・22:00~24:00までには布団に入る

・起床後は朝日を浴びる

適切な睡眠を取るためには、自律神経の活動が正常であることが欠かせません。以上の4つのポイントは、全て自律神経のバランスを整えるために必要なことです。

自律神経のバランスを整えてEDを予防する

そして、自律神経には「交感神経」と「副交感神経」という2つの神経があります。この2つの神経がバランスよく活動することで、良質な睡眠が作られます。

具体的には「日中は交感神経が働き、夜間は副交感神経が活発になる」という自律神経の活動が、適切な睡眠には欠かせません。

交感神経は体を活動的にさせる神経であり、運動中や仕事中などで活発になります。一方で副交感神経はリラックス時に働き、睡眠時や勃起時などで活発になります。

仕事を遅くまで行ったり、夜にパソコン作業をしたりすることは、睡眠に必要な副交感神経の活動を抑制させます。また朝に太陽の光を浴びることは、日中の活動に欠かせない交感神経の働きを活性化させるだけでなく、睡眠に欠かせない「メラトニン」というホルモンの分泌を促します。

そのため、先ほど挙げた4つのポイントに注意することで、自律神経の活動を整えることができます。そして、結果的に良質な睡眠を取ることができるようになり、男性機能(生殖機能)を高めることにつながります。

より快眠を得るためのステップ

それでは、熟睡することで「短い睡眠時間であっても満足感を得られる快眠へのステップ」について、より詳しく確認していきます。

熟睡するためには、きちんとしたコツがあるのでこれらを理解する必要があります。

体深部の温度を下げる

人間の体温は一定ではありません。眠っているときよりも、起きているときに体温が高くなります。これはある意味当然であり、昼など活動的に頑張っているときは筋肉などの働きを活発にして体温を上げる必要があります。一方で睡眠時など休息しているときは体や活動を休めて、体温を下げるようにします。

このときの体温というのは、体の内部の体温を指します。これを深部体温といいます。深部体温は昼に高く、夜は低くなります。

一方で皮膚表面の温度(皮膚温度)はどのようになっているのかというと、深部体温とは真逆になります。つまり、皮膚表面の温度は「昼に低く、夜は高くなる」ようになります。

なぜ、夜に皮膚温度が高くなるのかというと、手足など皮膚温度を高くすることで熱を放出させ、効率的に深部体温(体の内部の体温)を下げようとするからです。

そして重要なのは、深部体温と皮膚温度の差が縮まるほど眠気が起こるということです。つまり、熟睡するためには効果的に深部体温を下げ、皮膚温度を上げなければいけません。

それでは、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。

部屋の温度を調節する

まず、部屋の温度を調節するようにしましょう。もっといえば、皮膚からの熱放出を効率的に行えるようにするのです。

秋から春までの季節であれば、部屋の温度は涼しいです。ただ、夏では部屋が非常に熱くなります。夏になると、寝苦しい夜を過ごすことになる人は多いです。

なぜ、夏では眠りにくくなるのかというと、部屋の温度が高いので手足からの熱放出がうまくいかず、深部体温が下がらないからです。そのため、電気代はかかりますが必ずクーラーをかけて寝るようにしましょう。

私は貧乏性なので、以前夏のときは扇風機だけで頑張ったり、クーラーをかけたとしても部屋温度を30度に設定していたりして眠っていました。ただ、クーラーで27度に設定して寝るようになってからは、夏であっても熟睡の毎日を送れるようになりました。

適切な部屋温度は人によって異なるため、これについては自分で試してみてください。例えば私の場合、真夏にクーラーを26度に設定して寝ると寒すぎて起きてしまうことがあったため、27度で眠るのが適温でした。

また、皮膚からの熱放出を促すという意味では、寝るときに靴下をはくのはやめましょう。寝る直前までであれば、手足の温度を高く保つことは深部体温と皮膚温度を近づけるので非常に有効です。ただ、実際に寝る前になったときは靴下や手袋などは脱いで寝るといいです。

靴下・手袋を履いた状態で寝ると、熱放出が阻害されて深部体温が下がらず、結果として睡眠の質が悪くなります。これでは熟睡できず、勃起力に悪影響が出て朝立ちがなかったり中折れの原因になったりします。

お風呂の時間を調節する

また、お風呂の時間も快眠を得るために重要な要素です。お風呂に入ることで、より深部体温を下げて眠気を促すことができるからです。

お風呂に入っているときや出た直後は当然ながら、お湯に温められているので体温は上昇しています。具体的には、40度のお湯に15分ほどつかることで体温が0.5度上昇するという研究報告があります。

このとき、お風呂に入ることで深部体温が急激に上昇すると、そのあとは急激に深部体温が下がるようになります。

お風呂に入った後、上がった深部体温が下がるまでには90分ほどの時間が必要です。そのため、お風呂に入って90分以上経過した後では深部体温が下がりやすく、眠りやすいといえます。そのため、例えば24:00に眠りたい場合、その90分以上前に湯船につかるといいです。

ただ、場合によってはゆっくりと湯船に浸かれないときがあります。例えば、男性であればキャバクラなどの風俗で夜遊びしたり、同僚と深夜まで飲み明かしたりした後に帰宅することがあるはずです。この場合、お風呂に浸かってゆっくりと過ごすことはなく、すぐに寝なければいけません。

そうしたとき、湯船であると深部体温がいったん上昇してその後下がるまでに90分以上の時間が必要であるため、逆に寝付けなくなってしまいます。そのため、帰ってすぐ寝る場合などはシャワーだけで済ませてベッドに入るようにしましょう。

寝室の環境を整える

体温のことを理解した後は、寝室の状況を整えましょう。このとき、眠るときは真っ暗になるように調節します。

真っ暗というのは、何も光がない状態を指します。そのため、現代社会で寝室を真っ暗にするのは、かなり意識をしなければいけません。

まず、カーテンは「光をまったく通さない遮光カーテン」にしましょう。夜中であっても、街灯や車のライトによって室内が強力な光で照らされることがあるため、これによって睡眠が妨害されています。

実際、私は何回か引越ししたことがありますが、そのつど窓に合う遮光カーテンを新たに購入していました。そうすることで、ようやく外からの光をシャットアウトできます。

部屋の外は遮光カーテンだけで大丈夫ですが、問題は室内です。部屋の中は意外と光であふれています。

例えば、寝室の電気を消した後、周囲を見渡してみると充電器から緑色の光が発せられていないでしょうか。また、パソコンやプリンターから青色の光が出ていないでしょうか。

これらの光はごくわずかですが、こうした光が存在することで室内は真っ暗になりません。「部屋を真っ暗にする」というのは、本当の意味で光を遮断した状態を指します。わずかな光がある状態で眠るのと、真っ暗で寝るのでは睡眠の質が大きく異なります。

こうしたことを認識したうえで、寝室を確認してみてください。電子機器から発せられている光はすべて、あなたの睡眠を妨害してEDを悪化させる原因になります。そこで、黒色のシールは貼ったり電源を抜いたりして、部屋の中を暗闇にしましょう。

質の高い睡眠が勃起不全を改善する

勃ちが悪いと感じていたとしても、熟睡するように睡眠習慣を改善すれば朝立ちがなかったり中折れしていたりする状態がよくなってきます。

適切な睡眠をとって体を休息させるためには、副交感神経が活発になっている必要があります。前述のとおり、副交感神経(体をリラックスさせる神経)が優位になった状態で勃起が起こります。つまり、よく眠れるようにしていると体が休息モードになって副交感神経が活発になり、結果として勃起も起こりやすいのです。

また、それだけでなく睡眠を取れていると体内で発生する活性酸素(血管を傷つけ、動脈硬化を進行させる物質)が少なくなります。

勃起不全では動脈硬化も大きく関係しているため、活性酸素が少なければ動脈硬化を予防でき、EDになりにくくなるのです。熟睡すれば、朝立ちや中折れ防止を含め、それだけ下半身に良い影響を与えます。

このように、良質な睡眠を取ることは、男性機能(生殖機能)を高めるために欠かせません。適切な眠りによって精力を高く維持するためには、先ほど述べた「睡眠の質を高める方法」を実践する必要があります。

そうすることで、中高年に起こる勃起力の低下を予防することができます。これが結果として、ED(勃起不全:インポテンツ)や男性更年期障害を防ぎ、勃起の持続力を改善させることにつながります。