男性機能(生殖機能)というと、ペニスの勃起だけを考える人が多いです。しかし実際には、勃起した後に射精を行うまでが大切であり、正常に精液として射精して初めて生殖機能を発揮します。

男性不妊における検査でも、まずは射精された精液の検査を行います。その結果を元に、男性側に子供ができない問題があるのかどうかが判断されます。

このように、男性機能(生殖機能)を理解するためには、精子がつくられてから精液として射精されるまでのメカニズムを知ることが大切だといえます。そうすることで、あなた自身の男性機能における問題を把握することができるようになります。

そこで、精子が作られて射精されるまでのメカニズムについて確認していきます。

74日かけて精子は作られる

精子は、陰嚢(いんのう)の中にある精巣で作られます。陰嚢は精巣を包む袋状の器官であり、俗に「おいなりさん」などともいわれます。精巣は白膜と呼ばれる膜に覆われており、その白膜の中は200から300の部分(小葉)に分けられます。

この小葉と呼ばれる精巣の一区切りの中に、「精細管」と呼ばれるものがあります。精子はこの精細管で作られます。

精細管の中には、精子の原型となる「精祖細胞」と、それを成長させる「セルトリ細胞」と呼ばれる細胞があります。そして精細管の周りには、男性ホルモンを作り出す「ライディヒ細胞」があります。

精祖細胞は、セルトリ細胞から栄養を受けながら「精母細胞」「精子細胞」へと変化して最終的に精子となります。その後、精子は精細管から「精巣上体」と呼ばれるところに移動して、射精までの過程を進みます。このような精子ができるまでには、約74日間かかります。

精巣上体から射精まで

そして精巣上体(精巣を精管へと輸送する始点の部分)を通過するときに、精子は卵子と受精するための力を身に付けます。受精の能力を備えた精子は、その後「精管」と呼ばれる全長40センチメートルもある細長い管の中を進みます。

精子は精管を通って尿道から射精されるまでの過程で、精嚢(せいのう)と前立腺からの分泌液と混ざることで最終的な精液になります。精子が精巣上体から精管を通過して射精されるまでは約14日間かかります。つまり、精子はつくられ始めて約3ヶ月(74日+14日)経ってやっと射精されることになります。

このように、精祖細胞から精液となって射精されるまでの過程において問題が生じると、男性不妊の原因となります。男性不妊とは、男性側が原因で妊娠ができないような状態をいいます。

また、射精には必ず勃起が必要になります。勃起すると、精巣上体と尿道周りにある筋肉や前立腺、精嚢が収縮するため、その圧力によって精液が尿道口から射精されます。

そのため、ED(勃起不全)によって勃ちが悪く固さが足りなかったり、中折れしたりして勃起が起こらないと、せっかく作られた精液は放出されません。

さらにこのときは、尿を放出するときに開く膀胱の出口は閉じています。体には、そうすることで膀胱側に精液が逆流しないようなメカニズムが備わっています。

射精障害の種類

このように、精子がつくられて射精されるまでには、適切なメカニズムが存在しています。この過程のどこが障害されても、男性機能(生殖機能)に問題が起こります。かなり複雑で理解しにくいものですが、男性機能を理解する上では必ず必要な知識です。

男性機能(生殖機能)の問題というと、ED(勃起不全)を思い浮かべる人が多いです。勃たなければ、当然ながら射精は困難です。

ただ実際のところ、中高年男性の男性機能(生殖機能)低下によって生じる病気には、勃起障害に限らず腟内射精障害や原発性射精障害といったものもあります。

このような射精に問題がある状態を総合して「射精障害」といいます。

射精障害がある人は、「セックスを行っても射精ができない」という大きな問題を抱えています。その結果、セックスを避けるようになり、「ますます男性機能(生殖機能)が衰えてしまう」という悪循環に陥ってしまいます。

それでは、射精障害にはどのようなものがあるのでしょうか。以下では男性不妊の原因となる射精障害について述べます。

ED(勃起不全)

ED(勃起不全)については、多くの男性がその名前を聞いたことがあると思います。ただ、ほとんどの人はED(勃起不全)を間違って認識しています。

一般的には、「全く勃起が起こらない状態(インポテンツ)」をED(勃起不全)と捉えています。しかし実際には、勃起をしても硬さが十分でなかったり、勃起の持続時間が短くて中折れしたりするような場合も、ED(勃起不全)と判断されます

高齢男性になるほど、勃起障害に悩む人の割合が増えます。ただ、EDでは生活習慣や栄養、ストレスが大きく関わっているため、これらを改善すると勃起力が改善していきます。

腟内射精障害

腟内射精障害とは、「マスターベーション(オナニー)では射精できるものの、肝心な女性の腟内では射精ができない状態」のことを指します。特に、日本人男性に多いのが腟内射精障害だといわれています。

そして腟内射精障害は、緊張や不安などから起こるような「心理的な問題(心因性)」と「間違ったマスターベーション方法」のどちらかに原因があります。

膣内射精障害では、すべての女性で射精できないことがあります。心理的な要因がある場合、「再び射精できなければどうしよう」といった不安から、どの女性でも射精できなくなります。

また、オナニーするときに非常に強い刺激を加えることに慣れてしまい、女性の膣へ挿入したときの刺激が弱すぎてしまうことがあります。この場合、挿入時の刺激が弱すぎて膣内で射精できなくなり、すべての女性で射精障害が起こります。

また、彼女や妻など特定の女性だけ射精できなくなることもあります。「奥さんとのセックスに飽きた」など心因性の理由が大きく、人によって事情は異なります。他の女性とは問題なくても、特定した女性にだけ射精障害に陥ることもあるのです。

原発性射精障害

原発性射精障害とは、「マスターベーションも含めて射精を経験したことがない状態」のことを指します。

原因ははっきりしていませんが、心因性の問題が関わっていると考えられています。原因がわからず、オナニーでも射精できないことから治療は困難を極めます。

逆行性射精障害

射精するとき、通常であればペニスから精液が勢いよく出されるものの、そうではなく精液が膀胱に流れることで精液がほとんど放出されないことがあります。これを、逆行性射精障害といいます。

前述のとおり、セックスやオナニーなどで男性がイクとき、膀胱の出口は閉じています。これにより、精液の逆流を防ぎます。ただ、何らかの原因で精液が膀胱へ逆流してしまうことがあるのです。

糖尿病などによって神経の働きが障害されている場合や、骨盤周りを手術した後などは「射精時に膀胱の出口が閉じる」というメカニズムが正常に作用せずに精液が膀胱に入ってしまうことがあります。逆行性射精障害の裏には、病気が隠れていることがあります。

また、前立せん肥大症の治療薬など、薬の副作用によって精液を送り込めなくなっていることがあります。精液の出が悪いと感じたとき、薬の副作用による可能性もあります。

逆行性射精は基本的に害がありません。イクことには変わりないため、男性にとっては通常の射精時と同じように大きな快感を得られます。ただ、不妊の原因となるため子供が欲しい夫婦は注意しなければいけません。

このように、男性機能(生殖機能)の問題というと、ED(勃起不全)ばかりを思い浮かべますが、腟内射精障害や原発性射精障害、逆行性射精障害といった原因もあるのです。

射精障害の治し方

それでは、どのようにして射精障害を克服していけばいいのでしょうか。

他の病気のように、薬を飲めば射精障害が治るというわけではありません。単なる町医者を受信しても治療できることはなく、それよりもオナニー方法や日々の生活を改善する必要があります。

EDを除けば、射精障害に陥っている男性のほとんどは腟内射精障害です。つまり、オナニーでは問題ないが、女性とのセックスではイケないというものです。そこで、腟内射精障害についてどのような方法であれば障害克服効果があるのか確認していきます。

間違ったマスターベーションを改める

射精障害の克服法としては、オナニーの方法を変えることがあげられます。腟内射精障害の人では、間違ったマスターベーションをしていることがあるからです。

特に、床やふとんなどにペニスをこすりつけてオナニーをする「床オナ(床オナニー)」は危険です。ペニスに対する刺激が強すぎるため、膣内の刺激が弱すぎるように感じてしまうのです。そのため、床オナは禁止です。

男性であれば、童貞を含めセックス経験が非常に少ない状態で膣内に挿入すると、あまりの気持ちよさに数回のピストン運動で射精してしまったというような経験をたくさんの人がもっています。ただ、セックスすることに慣れ、興奮をある程度コントロールできるようになると徐々に早漏から脱却していきます。

私自身、過去はセックスのときに1分ほど挿れていると射精してしまうほどの早漏でしたが、いまでは10~15分以上は我慢できるようになっています。

ただ、オナニーのときから強い刺激を与えていると遅漏になったり、射精できなくなったりします。遅漏のなかでも、オナニーでは問題ないがセックス時で遅漏の場合は腟内射精障害だといえます。

こうした場合、床オナを禁止するなど「強すぎる刺激によるオナニー」を改めると効果があります。そうすれば、徐々に射精障害から回復していきます。

性的興奮を取り戻す

また、腟内射精障害が増えた背景には、パソコンやインターネットの普及も関係しています。

インターネットとパソコンの普及によって、マスターベーションのオカズとして使われていたアダルト動画がどんどん過激になりました。

それに伴い、過剰なまでの性的刺激に慣れてしまったために、生身の女性とのセックスに対して魅力を感じないような人が増えてしまいました。その結果、「マスターベーションでは射精ができても、腟内での射精ができない」という状態の人が急増してしまったというのです。

私も同じですが、男性である以上は誰でもアダルトビデオを見ます。このアダルトビデオというのは、突っ込みをいれたくなるほどあり得ないシチュエーションが満載です。「ロリ女性」「SM・強姦・レイプ」「3Pや輪姦などの複数プレイ」とさまざまです。

出典:ロリびっち生徒会長 せいら

もちろんこれらは演技ですが、どのアダルトビデオも激しく手マンをしたり、大量の潮吹きをしたりする描写があります。

ただ、実際の素人女性ではどうかというと、そうしたアダルトビデオのようなプレイは痛いだけであり、好むわけがありません。どちらかというと、フェザータッチ(肌に触れるか触れないか程度の刺激)を好むなど、アダルトビデオとは真逆です。そのため実際のセックスでは性的興奮が足りず、うまくイケなくなるのです。

そこで腟内射精障害の発症を予防するためにも、あまりに過激なアダルド映像の視聴は避けるべきだといえます。現実離れした興奮しか得られない場合、それを遠ざける必要があります。

また、現在では「女性でも安心してみることのできるアダルトビデオ」が販売されています。要は、普通の彼氏・彼女が実際に行うようなセックス動画です。

出典:エッチに照れまくる姿が可愛い過ぎる女の子

最初は物足りないかもしれませんが、こうしたアダルトビデオに切り替えても問題ありません。

精神的な不安や障害を取り除く

また、心理的な問題(心因性)による腟内射精障害も存在します。こうした場合、セックス時のリラックスが欠かせません。

ただ、これにはパートナーによる協力が必要不可欠です。「定期的にセックスしないといけないという義務を取り除く」「遅漏であることを理解してもらい、責めないようにしてもらう」などです。これら心理的に障害となっているものを取り除いていき、徐々に射精障害を改善させていきます。

心因性の射精障害は、どちらかというと真面目で感情表現を苦手とする男性に多いです。つまり、自分の心の中に不安をため込んでしまい、それがストレスとなってイケなくなるのです。

そこでお互いにセックスのことについて本音で話し合い、精神的な不安を取り去るように変えていくことが必要です。

このように、男性不妊の原因にはさまざまなものがあり、必ずしもED(勃起不全)だけが不妊理由ではありません。勃起障害や中折れがなかったとしても、腟内射精障害、原発性射精障害、逆行性射精障害などによって不妊になることもあるのです。

その中でも、ED以外に多いのが膣内射精障害です。膣内射精障害の克服法としては、間違ったオナニーや心理的なストレスなどがあるため、これらを取り除いていくことで男性不妊を効果的に改善していけるようになります。