男性では50~60歳代の中高年と呼ばれる年代になると、「男性機能(生殖機能)の低下」という健康問題に悩まされる人が多くなります。そして多くの人は、「ED(勃起不全)や男性更年期障害」などの症状が出現して、初めて自分の精力に問題があることに気づきます。

しかし、このように明らかな症状が出現した後に生殖機能の問題に気づいた場合、再び精力を向上させるためには大変な努力が必要になります。そのため、できるだけ早期に自分の精力が低下していることに気づいて、対処することが大切だといえます。

そして、男性機能を低下させる大きな要因の1つとして「生活習慣の崩れ」があります。これにより、勃たなくなるなど、勃起不全やインポテンツの問題が生じてきます。

そこで精力を悪くする生活習慣を知って自分の生活を見直すことで、自分自身で「男性機能(生殖機能)が低下している可能性」を予測することができます。そのため今回は、「精子力(男性機能)を低下させる生活習慣」について解説します。

精子力(男性機能)を低下させる生活習慣

中高年に起こるEDを含めた男性機能の低下には、加齢だけでなく生活習慣が大きく影響しています。実際に70歳を超えても精力が維持されている人がいることを考えると、精力には年齢よりも生活習慣が強く関与しているといえます。

特に、中高年と呼ばれる前である30~40歳代になると、「仕事で管理職に就く」「子供が増える」などのライフイベントによって忙しくなる人が多くなります。

そうなると、「外食回数の増加」や「運動機会の減少」といった、生活習慣が悪くなる環境に身を置くようになってくる人がほとんどです。その結果、中高年になる頃には男性機能(生殖機能)が正常に働かなくなってしまいます。

そうしたことを避けるためにも、若いうちから精子力(男性機能)を低下させる生活習慣に注意することが大切です。

そして、精力を低下させる生活習慣を知って、あなたの生活習慣と見比べることで、「男性機能(生殖機能)が悪くなっている可能性」を予測することができます。

以下に、精子力(男性機能)を低下させる生活習慣の例を挙げます。

喫煙

タバコが体の健康にとって良くないことは、誰もが理解していることです。そして、それと同様に喫煙は男性機能(生殖機能)にとって害でしかありません

まず、タバコを吸うと全身における血液の流れが悪くなります。そうなると、ペニスへの血流量が少なくなるため勃起が起こりにくくなります。その結果、ED(勃起不全)を発症することにつながります。

またタバコは、精子の数を減らすだけでなく、精子の活動性を悪くすることもわかっています。つまり、喫煙は精子の量、質を共に低下させます

飲酒

毎日のように深酒をしていると、酔っ払うことでパートナーと性交する回数が減ってしまいます。そうなると、自然と精力は低下してしまいます。

確かに「アルコールを飲むことが男性機能(生殖機能)に害を与える」ということは、明らかにはされていません。ただ、酔っ払うことによる性交回数の減少と体の健康を考えると、アルコールを飲みすぎることは避けるべきだといえます。

なお、私を含め年齢を重ねると「お酒を飲んだ後は勃ちが悪い」「なぜか飲酒後はインポテンツになる」などの症状を経験したことがあると思います。過度の飲酒によって勃起せず、EDになってしまうことは実際のところよくあります。

睡眠不足

男性機能(生殖機能)を発揮するためには、男性ホルモンが適切に分泌されていることが必須になります。そして、男性ホルモンは睡眠中に作られます。そのため、睡眠不足になると男性ホルモンの量が少なくなってしまい、精力が低下します。

また、睡眠時間が短いだけでなく睡眠の質が悪くなることでも、男性ホルモンの合成量は少なくなります。例えば、睡眠中に息が止まるものとして睡眠時無呼吸症候群があります。睡眠時無呼吸症候群では、酸素が脳に行き届かなくなるので必然的に睡眠の質が低下します。

どれだけ長い時間眠ったとしても、目覚めが悪かったり寝た気がしなかったりする場合、それは睡眠不足だといえます。

ストレス過多

過剰なストレスは、さまざまな理由で精力に悪影響を与えます。その中でも、ストレスによって自律神経のバランスが乱れることは、男性機能(生殖機能)を最も悪くする要因です。

男性ホルモンの分泌は自律神経によって調整されているため、自律神経のバランスが崩れると男性ホルモンの働きは悪くなります。

また、勃起が生じるためには自律神経が適切に働いていることが欠かせません。そのため、過剰なストレスによって自律神経のバランスが崩れると、ED(勃起不全)を発症する可能性も高くなります。

以上の生活習慣は、いずれも精力に大きな影響を与えるものです。中高年で起こりやすい男性機能(生殖機能)の低下を予防するためにも、できるだけ若いうちからこれらを避けるよう意識して生活することが大切です。

精神的ストレスと男性ホルモンの関係性

このように、中高年男性に起こる精力の低下は、加齢だけが原因では起こりません。年齢に加えて、過剰なストレスや睡眠不足といった生活習慣も、精力影響を与える大きな要因です。

特に先ほど述べた「喫煙」「飲酒」「睡眠不足」「過剰なストレス」の4つは、男性機能(生殖機能)に大きな影響を与えるものです。そのため、このような生活習慣がある人は、「精力が低下している可能性がある」ということを十分認識しておきましょう。

なお、この中でも特にストレスとの付き合いは非常に重要だといえます。中高年男性では、精神的なストレスが男性ホルモンの分泌量に影響しています。男性ホルモンの分泌量を維持して男性機能(生殖機能)を高く保つためには、ストレスコントロールが大切だといえます。

ストレスと男性ホルモン

中高年男性には、会社の中間管理職として働いている人が多くいます。そのようなポストでは、上司と部下の間に挟まれて日々多大なストレスを受けます。そして、そのことが男性ホルモンの分泌に大きな影響を与えます。

基本的に、生活していくうえでストレスを全く受けないようにすることは不可能です。また、適度なストレスは体の健康を維持する上でも欠かせないものです。

しかし、あまりに過剰なストレスは体の健康を害することにつながります。ストレスによって不眠や胃痛などが起こることは、多くの人が知っています。それと同じように、ストレスによって男性ホルモンの分泌が悪くなることも明らかになっています。

なお、ストレスの対処法に関しても男性ホルモンの分泌量へ影響します。そのため、ストレスを溜めないようにするために行なっていることが、逆に男性ホルモンの分泌を悪くしていることもあります。

例えば、音楽を聴いたりスポーツを行ったりすることでストレスに対処することは、男性ホルモンの分泌に対して良い影響を与えます。

一方で、アルコールを大量に飲んだり、パチンコや競馬といったようなギャンブルにのめり込んだりすることは、男性ホルモンの分泌を悪くします。このような一時的に気分を高揚させて依存症になる可能性のあるものは、男性ホルモンの分泌に対して悪影響を与えます

つまり、いくらストレスが男性機能(生殖機能)に悪いといっても、ストレスの解消方法を間違わないようにすることが大切です。

適度なストレスは男性ホルモンの分泌を促す

精神的なストレスが強くかかったり、ストレスの解消法が間違っていたりすると男性ホルモンの分泌は悪くなります。ただ、ストレスが全て男性ホルモンの分泌にとって良くないのかというとそうではありません。

例えば、あなたにとってハードルが高い仕事を依頼されたとき、おそらくあなたの体にはストレスがかかるはずです。

もしそのハードルが、絶対超えることができないようなものであれば、あなたはストレスをため込むだけで頑張る気さえもなくなるかもしれません。そうなると、男性ホルモンの分泌は低下してしまいます。

しかし、そのハードルが適度な高さであれば、あなたは自分自身を奮い立たせることで、仕事をやり遂げようとするはずです。そのように、あなた自身のやる気をふるい立たせる材料になるようなストレスは男性ホルモンの分泌を促すことにつながります。

過剰なストレスは男性ホルモンの分泌を悪くしますが、適度なストレスは男性ホルモンの分泌量を多くします。そのため、ストレスは程度によって男性ホルモンに与える影響が変わるということを理解しておくことが大切です。

精子力(男性機能)を低下させる病歴を知る

このように、中高年男性が受けやすい精神的なストレスは、過剰になると男性ホルモンの分泌を悪くします。また、そのようなストレスを解消することも、方法を誤るとさらに男性ホルモンへ悪影響を与えることになります。

そのため、過剰なストレスに対しては適切な対処を行い、適度なストレスは味方につけて、ストレスで男性機能(生殖機能)が悪くならないようにすることが大切です。

これらを認識した上で、喫煙や飲酒、睡眠不足を含めて生活習慣を見直すことが、中高年で起こる男性機能の低下を予防することにつながります。

ただ、ED(勃起不全)のように、明らかに目に見えるような症状であれば、自分自身で精力の低下を認識することができます。

しかし、生殖機能の低下で起こる問題は、ED(勃起不全)のように目に見えるような症状ばかりではありません。そのため、場合によっては「知らない間に精力がどんどん衰えていった」ということが起こりえます。

そうした事態を防ぐためにも、自分自身で男性機能低下を確認する方法を知っておくことが大切です。そして、「精子力を低下させる病歴」を理解しておくと、自分自身で「男性機能(生殖機能)が悪くなっている可能性」を予測することができます。

あなたが今までにかかった病歴は精子力を低下させる要因の1つになります。特定の病歴をもっている場合は、それだけで精子力が低下している可能性があります。

まず、精子力を下げる可能性がある病歴として、以下のものがないかどうかチェックしてみましょう。

39度以上の高熱

精子には、「熱に弱い」という特徴があります。睾丸が体外に出てぶら下がっているのは、精子を作る精巣が体の熱で温まり過ぎないようにするためです

そのため、一度でも39度を超すような高熱が出た経験がある場合は、精子力が低下している可能性があります。

性病

淋病性尿道炎やクラミジア性尿道炎といった性感染症は、「膿精液症(のうせいえきしょう)」と呼ばれる病気になる可能性があります。膿精液症とは、精液中に白血球が過剰に増えてしまう疾患です。精液中に白血球が多くなると、精子の機能は低下してしまいます

また性感染症に併発しやすい「精巣上体炎」は、精路が塞がれて無精子症になる可能性があります。

睾丸(こうがん)の打撲

睾丸をぶつけると、睾丸の中にある精巣が傷ついて精子を造る機能が低下します。またそれだけではなく、精路が塞がれて無精子症となることもあります。

鼡径(そけい)ヘルニアの手術

子供の頃に、鼡径ヘルニアの手術を行う人は少なくありません。鼡径ヘルニアとは、鼠径部(太もももしくは、足のつけねの部分)に腸が飛び出してしまう病気です。

鼡径ヘルニアの手術を行なう際に、精子の通り道である精路が塞がれてしまうことがあります。そうなると無精子症となり、精子力が低下します。

陰嚢(いんのう)水腫

陰嚢水腫とは、睾丸の中に水が溜まってしまう病気です。陰嚢水腫自体は精子力に直接影響しませんが、そこから感染などに発展すると精子形成に悪影響を与えることになります。

糖尿病・おたふく風邪

糖尿病では、勃起に関わる神経の働きが悪くなるため、ED(勃起不全)となる可能性があります。また、おたふく風邪によって睾丸が腫れると、そのことで精子を造る機能が悪くなったり、精路が閉塞されたりすることがあります。

アレルギー体質

アレルギーによる炎症やアトピー性皮膚炎などによって陰嚢部分の皮膚が厚くなると、精巣の温度が高くなります。そうなると、精子を造る機能が悪くなるため精子力が低下します。

以上に挙げた病歴がある場合は、例え自覚症状がなくても、精子力(男性機能)が低下している可能性があります。そのため、男性機能(生殖機能)を悪くするような生活習慣を避ける必要があります。

あなたの病歴によって、精子力(男性機能)を予測することができます。日頃から自分自身で男性機能(生殖機能)をチェックすることで、できるだけ早期に精力の問題に気づき対処することが大切です。

精力が低下し、勃ちにくくなっている原因はここまで述べてきたような生活習慣にあるかもしれませんし、病歴が関係しているのかもしれません。いずれにしても、これらの影響が重なってインポテンツに陥っています。

ただ、サプリメント(精力剤)を含めこれからEDへの対策を練って実践していけば、勃起不全を回避できるようになります。まずはここまで述べてきたことを理解したうえで、精力を回復させていくようにしましょう。